せっかく遺言書を書いても、その内容を実現できなければ意味がありません。
遺言を実現するのは相続人です。
しかし、相続人にはそれぞれの思惑や事情があり、遺言の内容を素直に実現するかどうかはわかりません。
そこで、遺言の内容を確実に行うことを目的として、遺言で遺言執行者を指定します。
遺言書で遺言執行者が指定されている場合は、遺言執行者が遺言書の内容に基づき、故人の意思を実現するため、遺言執行を行います。
『遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為は、相続人に対して直接にその効力を生ずる。(民法1015条)』
遺言執行者が指定されている場合は、相続人は勝手に遺産を処分することができなくなります。
遺産分割、遺贈がある場合はその履行、金融機関の払い戻しとその分配、不動産の所有権移転の手続きを遺言執行者が行います。
このように、遺言において遺言執行者の役割はとても大きく、重要です。
遺言執行者には行政書士などの専門家を指定することができます。又遺言執行者の代理人として専門家がその業務を代理することもできます。