相続コンサルティング

相続コンサルティング

2024年3月15日

堺市で相続対策の提案と手続きをしています。
ただ、その前にすることがあります。
それが相続コンサルティングです。実はこれが一番重要と言っても過言ではありません。

つまりそれは、現状を理解して、何をどうしたらいいのかを、整理することでもあります。
相続とは、資産をできるだけいい形で次の世代に引き継ぐことです。
ただ、どんな方法でもいいから、できるだけ資産を残して、相続税を少なくして、引き継げばいいというものではないはずです。

できるだけいい形で引き継ぐ

この視点が重要ではないかと考えます。

一例を挙げれば、相続税をとにかく安くするために、借入して相続する土地の上に建物を建築して
土地の評価額を下げるという手法があります。建設業者さんのお得意の方法です。

これは相続する土地を貸家建付地にするとういう方法です。
土地の相続税評価額が1億円
建築費を仮定で1億円、借入も1億円とします。
土地+建物-借入金=1億円の相続財産
借入年数 25年 利率2.5%とします。(実際はもう少し複雑ですが簡単に考えます。)

何もしない場合の評価額を仮に1億円とした場合、貸家建付地にすれば約18%評価減になるので、
8200万円の評価になります。
つまり、土地だけで考えれば1800万円の評価減

相続人が妻と子供2人の場合、

相続対策を何もしない場合の相続税総額は、290万円(配偶者の税額控除を適用)
上記相続対策をした場合の相続税総額は、170万円(配偶者の税額控除を適用)

節税額 120万円です。

建物を建ててから、15年後に相続が起こったとします。
15年後の借入金残高は約4760万円です。
建物は1年に5%ずつ価値が減少するとしたら、建物残価は約3970万円(簡易計算です。)
※実際の相続の場合、貸家の評価は相続時の固定資産税評価額の約70%になりますがここでは仮計算でこうします。

土地評価額に変化がない場合、

相続対策を何もしない場合の相続税総額は 290万円(配偶者の税額控除を適用)
上記相続対策をした場合の相続税総額は、 130万円(配偶者の税額控除を適用)

この場合で節税額160万円です。 その他 3970万円の建物、4760万円の借入残
+建物管理の心理的負担。

つまり実質マイナス  

15年間に得た家賃収入は、借入返済と管理費用、修繕費用に全て使用したものとします。
(実際は、それでも足らない可能性は十分あります。このあたりの収支計算は慎重に!)
その後も建物の管理責任と借入金の返済義務は残ります。

どうでしょうか?
160万円の税金を節税するために、ここまでする必要はあるでしょうか。

金融商品で1億円を年利3%で運用したら、年間利息 300万円 15年で4500万円(単利計算で)

つまり相続財産 1億4500万円

この場合の相続税総額は 約628万円(配偶者の税額控除を適用)

手元の金額 1億4500万円-628万円=1億3872万円

どうしても、その土地を残すご事情がある場合でしたら、そういう選択肢も仕方がないでしょう。
ただ、そうでない場合は、土地を売却してそれを運用して、相続財産の準備とすることもできます。
金融資産のほうが、分割がしやすいという利点もあります。

つまり、いろいろな選択肢が考えられるということです。

上記の計算はわかりやすくするために、単純化して計算しました。
実際は専門の税理士に相談しながら行うことを基本とします。小規模宅地の特例などケース別に該当する場合があり、総合的な判断が必要になります。

ただ、今回申し上げたいことは、相続については、よく知られている手法でもご自身のケースに落とし込んで、よく分析してから対策を考えられたほうがいいということの一例です。
一つの面からだけではなく、相続にはいろんな面があり、多角的に考えていくと、違う課題や解決策が見えてきます。

そのような相談をお受けするのが相続コンサルティングです。
まずは内容をお聞きして、状況を分析したうえで、アドバイスさせていただきます。。