土地の面積のいろいろ

土地の面積のいろいろ

2023年8月18日

堺市の相続&不動産コンサルタント、行政書士の岡田です。

今回は不動産、その中でも土地についてのお話をします。

土地の測量という言葉を聞かれたことはあると思います。つまり、土地の大きさを測ることですね。

土地の大きさ、面積というのはやっかいで、同じ土地でもいろいろな大きさがあったりします。
㎡で書かれていたり、坪で書かれていたりと、その単位もいろいろあります。

私は、土地の相談を受けるとまず、その地番を確認し、(地番は住居表示とは異なり、その土地独自に与えられた、土地の戸籍のようなものです。)その後、法務局で、登記事項証明書や登記事項要約書を取得します。

又は、登記情報サービスいうオンライン上のサービスもありますので、ここでも調べることができます。
登記に関しては、どこで取得してもその内容は同じです。

それを見ると、土地の大きさも書かれていて、例えば 250.57㎡とか、書かれているとします。
そう書かれていれば、一応その土地は250.57㎡なんだろうなという推測はできます。
ただ、その面積を計算したときの根拠によっては、それが正確であったり、疑わしかったりするのです。実際に測ると、280㎡であったりもします。

だから、登記面積=実測面積とは限らないということです。

最近、それも土地家屋調査士等の専門家が測量したものであれば、座標値のある測量図を作成していますので、これは正確と言ってもいいです。

ただ、いくら専門家が測量した測量図があっても、それが30年以上も前のもので、しかも座標値もなく、三斜求積で計算されたものであれば、(三斜求積とは、土地を三角形に分解して、面積を求める計算方法です。)、かなり誤差がある可能性があります。

又、平成17年の不動産登記法の改正前までは、分筆(一つの土地を二つ以上に分けること)する場合、分筆した方の土地は、分筆するときに測量しますので、ある程度は正確ですが(測量の方法によります。)分筆して残った方の土地は、測量しなくても良かったのです。
そのため、元々土地の面積が異なっていた場合は、当然残地面積も実際の面積とは異なることになります。

こんなことが原因で、実際と異なる面積で登記されている土地は、たくさんあります。

そもそも、測量さえしたことが無い土地の場合は、昔の面積のままということも多いです。
明治時代の税金(地租公課)の関係で、縄伸び(実際の面積が、登記面積より多いこと)の土地が多いようです。税金を取られたくないから、実際の面積を過少申告していたんですね。

今ある土地でも、きちんと測量した土地ではなく、昔からの土地面積を引き継いでいるものが多くあります。

法務局で、地積測量図を請求してみればそれが、わかります。測量していない土地であれば、そもそもこれが存在しません。

それと、建築士の作成した、設計図面を見ると、そこには敷地図面が書かれています。

この面積は、基本的には建築士が、現地で確認して作成するものです。そのため、これも登記面積と異なることことが多いです。

では、土地家屋調査士が測量した実測図と、建築士が作成した敷地図面の面積は同じなのか? この答は、同じである場合もあれば、違う場合もあります。

これは、考え方の違い、ルールの違いによるものです。

土地家屋調査士は、土地そのものを測量します。

それに対して、建築士は、建築物の敷地としての対象土地を測量します。土地であっても、建築物の敷地として算入できない部分が存在します。このあたりは建築のルールのお話になりますので、別の機会に説明させていただきます。

いずれにせよ、上記のように、土地の面積には、様々なパターンがあるということです。そのため、この土地は〇〇㎡ですよ、と言われても、その根拠が確認できるまではすぐには信じないほうがいいでしょう。不動産業者の担当者にその根拠を確認されたらいいでしょう。

土地に関する様々なご相談も、当事務所で受付をしております。長年の経験をベースにお話をすることができます。

お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。