障がい者(児)、親なき後の対策としての信託を考える

障がい者(児)、親なき後の対策としての信託を考える

2021年3月25日

大阪府堺市の民事信託に詳しい、行政書士の岡田です。

障がいをもっている子供の親にとって、自分がいなくなった後の子供の生活については、非常に心配でしょう。

1,自分の代わりに誰が寄り添ってくれるのか?

2,住む場所はどうすればいいのか?

3,お金の管理はどうする?

障がいの程度によっても、それは異なります。

公的な制度として

成年後見制度

日常生活自立支援事業

がありますが、これにはいろんな問題を含んでいます。

問題というのは、お金の使用方法に厳しめの制限があるということです。

又住居としては、独立して住むこともあれば、障がい者グループホームに入居という選択もあります。

しかし、障がい者を受け入れできる住居は不足しています。

普通の賃貸住宅では、なかなか入居がやりにくいはずです。

障がい者を受け入れ可能な住居の整備、体制作りが望まれています。

お金の管理について言えば、親の財産を.残された障がいをもつ子供のために役立てたい。

そんな願いを持つ親も多いはずです。

その場合には 民亊信託(家族信託)という制度があります。

これは成年後見制度では、制約があり、残された財産を子供のために思うように使えないという欠点をカバーするものです。

基本は親と子供と財産を預ける人(受託者)の三者契約になります。

信託契約というと、信託銀行を思い出しますが、これは全く別の制度です。

親の財産を受託者に預けて、子供のために使うことを依頼する契約です。

預けた財産から、生活費を出したり、学費を払ったり、必要なものを買ったりします。

預けた財産が不動産であるなら、その不動産を貸し付けて家賃をもらったり、

場合によっては、その不動産を売却して、お金に換えたりします。

これは、すべて子供のために行います。

これは、信託法という法律に基づいて行う生前の契約です。

遺言ですることもできます。

大事な契約ですので、公正証書で行うことが推奨されます。

又、不動産の場合は信託登記がなされます。

預けた財産は、受託者の財産とは区分して管理することが要求されます。

非常に、シンプルに書きましたが、ポイントはこのようになります。

障がい者(児)の親なき後の対策として、今注目されている制度です。

今後広がりを見せていくものと予想しています。