自筆証書遺言は、時間との勝負です。

自筆証書遺言は、時間との勝負です。

2022年1月23日

大阪府堺市の遺言書に詳しい、行政書士の岡田です。

遺言には、公正証書遺言と自筆証書遺言があることはご存知かと思います。

公正証書遺言は、遺言案を公証役場の公証人の立ち合いの元で、遺言書を作成するものです。証人2人の立ち合いも必要であり、形式的に厳格な手順を踏んで作成されます。

原本は公証役場に保管され、本人には正本と謄本が渡されます。家庭裁判所の検認も必要ありません。

一方、自筆証書遺言は、自分で適当な紙に遺言内容を書くものです。

遺言の日付、名前の自書、印鑑が押してあり、遺言書として有効な内容が自筆で書いてあれば遺言として成立します。証人も必要ありません。保管は自分で適当な場所に保管します。

ただ、それだけでは遺言書として有効ではなく、遺言者本人の死亡後に、その遺言書について家庭裁判所の検認という手続きを経て、検認済印を遺言書に押してもらって初めて、有効になります。

このことから、公正証書遺言のほうが、それだけで公的証明力が高く、紛失や見つからない等の可能性もないことから適切なのですが、ただ、公正証書遺言を作成するには、打ち合わせを行うある程度の時間と公証役場に支払う手数料が必要になります。

病気の末期状態であり、自分の最後がいつ訪れるかわからないとき、わかっていても、ゆっくり公正証書遺言を残しておく余裕がないかもしれません。

そんなときは、とりあえず、自筆証書遺言を作成することをお勧めします。

自筆証書遺言であれば、お手元に紙とペンさえあれば、作成できます。時間もかかりません。

その後、まだ余裕があれば、公正証書遺言の作成に取りかかればいいのです。

遺言書は、一番最後に書いたものが有効になります。だからこの場合は、後で書いた公正証書遺言の中で、先に書いた自筆証書遺言と内容が重なる部分について、公正証書遺言の内容が有効となります。

自筆証書遺言の場合、遺言者死亡後に相続人又は遺言執行者が(遺言執行者は遺言書の中で指定できできます。遺言書に書かれた内容を、本人の意思を受け、実行する人のことです。)、亡くなった方とその相続人の戸籍等を取得して、家庭裁判所の検認を受ける必要があり、大変ですが、時間的な余裕がない場合は、それも選択肢です。

遺言者本人の意思を実現することが、少しでも可能になるからです。

自筆証書遺言は遺言書としての形式を満たしていれば、有効になりますが、それを満たさないとせっかく書いた遺言書が無駄になります。

当事務所では、自筆証書遺言の作成サポートもしております。夜間対応も致します。

お気軽に、お問い合わせください。